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[レポート] 栃木県中禅寺湖畔

茶碗と同じく、建築も日常にある美の一つです。

日本の自然や文化が取り入れられた洋館には独特の魅力があります。

 

栃木県中禅寺湖畔は、明治中頃から昭和初期にかけて、各国大使館や外国人別荘が多く建てられ、国際避暑地として発展しました。

今回は、英国大使館別荘記念公園、イタリア大使館別荘記念公園を訪れました。

 

<英国大使館別荘>

訪れるのは林側からですが、湖から見ると、石積みの岸壁の上に、黒い板壁、壁を大胆に切り抜いたような広い縁側が一階と二階ともに湖に向かって開いています。

一見すると洋式の建築物ですが、このような構造は日本的です。

 

       
   
 

 

 

内装の大部分は新しくされたものですが、二階の一室では、

当時流行を始めたアーツ・アンド・クラフツの調度品が紹介されています。アーツ・アンド・クラフツ運動は、手工業の復興と産業デザインの改良を目指した運動で、草花や花鳥など自然物のモチーフが特徴的です。

 

       
   
 

 

 

 

<イタリア大使館別荘>

林の隙間の開けた場所で日差しを受ける英国大使館別荘に対し、

イタリア大使館別荘は、木々に同化するログハウスのような佇まいです。

 

       
   
 

 

 

 

英国のものと同様、特徴のひとつは中禅寺湖に臨む広縁ですが、

 

           
     
 
 


イタリア大使館で最も特徴的なのは、その建材とデザインです。

 

外壁、内壁、天井は、杉皮と竹が使われています。樹皮を編んで作る内壁や天井の造りは、網代と呼ばれる日本建築に見られる技術ですが、市松模様や籠目模様、矢羽根模様などが自由に配され個性を出しています。

 

外の岸壁の石垣も、暖炉を組む石も、英国のものが整然としているのに対し、こちらは自然のままの石を積み上げた野面積みのような組み立てになっているのも、目を引きました。

 

       
   
 

 

 

日本の洋風建築は石造りを基調としたものも多くありますが、これらの別荘は奥日光の自然と調和する木造住宅です。英国別荘の最初の主人であるアーネスト・サトウをはじめ、別荘の主人たちは日本の山深い土地に魅せられ、その自然を愛していたようです。

 

 

別荘から望む中禅寺湖は大変美しく、ここを訪れれば、先人たちがこの地を愛した理由がよく分かります。日本の自然に魅せられた西洋からの来訪者たちが、日本の自然を愛でる日本建築様式を取り入れたのはごく自然なことなのかもしれません。